債務整理とは、銀行、ノンバンク、クレジットカードからの借入やショッピングで
返済が難しくなった場合に、借金総額及び今後の返済方法について見直すことです。
債務整理には、大きく4つの方法があります。
残高、返済方法について各社と交渉し、和解する
住宅を残しながら、住宅ローン以外の借金を8割カットする(※住宅ローン以外の借金が500万円以上1500万円未満の場合)
借金をゼロにし、再出発を図る
完済済みの業者から払いすぎを取り戻す
多くの方が債務整理を司法書士や弁護士に依頼している理由は次のことが考えられます。
1.ノンバンクからの借入れ、クレジットカードのキャッシングについては、取引が長ければ借金総額が減額となる場合が多いから
2.司法書士や弁護士に依頼すると、一時的に返済をしなくてよくなり、督促も来なくなるから
3.分割払いの和解の際、利息がゼロとなることが多いから
任意整理とは、裁判所などの公的機関を利用せずに、貸金業者などの債権者と借金の減額や利息のカットなどの
返済方法を考えて、和解を勧める手続きのことを言います。
・任意整理は支払い方法の見直しに関する交渉なので、
破産と異なり法律的な制裁がない
・交渉を行う借入先を選ぶことができる※
※例えば、車のローンについては任意整理を行うと引き揚げられてしまうことが多いのでこれを除くこともできます。
・信用情報に債務整理をした旨の情報が記録されるため、一定期間、借入れやショッピングカードの使用等ができなくなってしまう
・あくまで交渉なので、貸金業者はこちらの和解案に応じる義務はなく(法律上は、任意整理を依頼した段階で期限の利益を喪失するため一括にて支払わなければならない)、こちらの希望通りの返済条件となるとは限らない。
大手の貸金業者は概ね依頼者の窮状を理解したうえで和解してくれるが、中には返済期間を1年や2年でなければ合意してくれなかったり、あるいは利息をつけなければ合意しない業者もある。
個人再生とは、裁判所を通じ、住宅を残しながら、他の借金を下記の表のとおりの最低弁済額に減額し、住宅ローン及び減額した額(財産の額が減額した額より大きいときはその財産の額)を裁判所からの指示に従って、原則3年(5年まで延長できる場合もあり)で分割返済していく手続きです。
借金総額 (利息制限法 引直残高) |
最低返済額 |
---|---|
100万円未満 | 全額 |
100~500万円 | 100万円 |
500~1,500万円 | 借金総額の1/5 |
1,500~3,000万円 | 300万円 |
3,000~5,000万円 | 借金総額の1/10 |
住宅ローンについては延滞がなければ従来どおり支払っていき、延滞がある場合は民事再生法に定める次の方法で返済していくことができます。
個人再生ができるか否かのポイント
・住宅ローン及び再生計画における分割弁済額を今後数年に渡って、余裕を持って返済できるか
・ここ数年、収入は安定していたか、今後も安定している見込みがあるか
・状況によっては、住宅を残すことができる
・住宅ローン以外の借金を大きく減額することができる
・将来利息はゼロになる
・破産の場合と異なり、資格制限がない。
(破産の場合、保険外務員は一定期間勤務できない。)
・手続きが複雑のため、専門家に依頼せずに申し立てをすることは困難
・申し立てに際し、準備する書類が多い
・安定した収入がなければ利用できない
・信用情報に記載される
・一定期間借入れができなくなる
・官報に掲載される
自己破産とは、債務を弁済することができなくなった場合、裁判所を通じ、財産を金融業者などの債権者に公平に分配し、
残りの借金は免除するという制度です。
借金がゼロになります。
1.信用情報機関に登録されるため、一定期間借入れをすることが難しくなる
2.破産手続開始決定から免責が確定するまでの間(およそ3~4カ月)、下記の仕事に就くことができない
宅地建物取引業者、証券会社外務員、商品取引所会員、貸金業者、質屋、生命保険募集員、損害保険代理店、警備業者、警備員、建設業者、風俗営業者など。
3.破産手続開始決定から免責が確定するまでの間、市町村の交付する身分証明書(区役所等で発行されるもの。第三者が見ることはできない。免許証、パスポート等ではない)に、破産宣告をした旨が記載される
※身分証明書は上記の職業に就職する際に提出を求められることが多いです。
※身分証明書においては、次の3つを公的に証明しています。
・禁治産又は準禁治産の宣告の通知を受けていない
・後見の登記の通知を受けていない
・破産の通知を受けていない
4.官報に記載される
5.申し立てに際し、準備する書類が多い
過払い請求とは、消費者金融等と過去に取引があった場合、完済してから10年を経過していなければ、
払い過ぎた利息(過払い金)の返還を請求することです。
いわゆるグレーゾーン金利と呼ばれておりますが、利息制限法の上限金利と出資法(違反すると刑事罰がある)の上限金利の間にある金利のことを言います。 さらに言えば、以前は貸金業法上、利息制限法を超える利息でも一定の要件を満たせば合法でした。 その一定の要件を満たしているかどうかをめぐって、数十年に渡り、法律家と貸金業者との争いがあり、現在においては、貸金業者側がその一定の要件を満たしていると立証することはほぼ不可能となりました。 そこで、利息制限法を超える利息は実質的に違法状態となったわけです。 平成21年6月18日より改正貸金業法が施行され、グレーゾーン金利は撤廃されました。
金額 | 金利 |
---|---|
10万円未満 | 年20%まで |
10万円以上 100万円未満 |
年18%まで |
100万円以上 | 年15%まで |
利息制限法を越える金利であっても、一定の厳格な要件を満たせば有効。
以前の出資法の上限金利は29.2%でした。